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捨小舟(すておぶね)
印刷用ページを表示する掲載日:2017年3月30日更新
捨小舟(すておぶね)
元禄曽我物語や元禄太平記などで有名な都の錦が,鹿籠金山に配流中にその地で書いたとされる自伝小説。上・下二部から成り,都育ちの零落者「浮かぬ舟」と「二の次」の対談の形で書かれていますが,浮かぬ舟も二の次も彼自身です。昭和51年3月,国文学研究資料館松田修氏によって翻刻され,同館紀要によって全国に発表されました。
都の錦は,大阪で生まれ京都御幸町通りに住む友辺圓入の伜でしたが,遊蕩に身をくずし,父の財貨まで使い果たして勘当され,江戸に下ったが,無宿人狩りにあって捕らえられ,北薩の永野金山に坑内水汲人夫として流刑にされました。宝永2年7月10日鹿籠金山へ移されましたが,この前後に赦され,放免となりました。
指定日
昭和50年5月8日