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農薬の適正使用について
農薬の適正使用
農薬の適正使用
「改正農薬取締法」が平成15年3月10日に施行され、無登録農薬の使用はもちろん、登録農薬であっても使用基準に違反して使用した場合、厳しい 罰則が適用されます。これまで産地が築き上げてきた信頼を守るためにも、農薬は適正に使用しなければなりません。農業者だけでなく、家庭菜園や花壇、芝の 手入れのをする方であっても、農林水産省の登録のある安全が確認された農薬を正しく使用することが必要です。
農産物にポジティブリスト制農薬の飛散には特に注意
食品衛生法が改正され、平成18年5月29日から農産物等へ残留する農薬の基準を強化する「ポジティブリスト制」が導入されました。
これまでわが国では、残留してはならない農薬のみをリストに記載し、その残留基準を定めていましたが、この方法では、リストに記載されていない農薬は自由に使用できることとなり、残留があっても規制できないことが問題となっていました。
このことから、このポジティブリスト制は残留基準の定めがない農薬・作物に一律0.01ppmという厳しい基準を定めています。
ポジティブリスト制が導入されてから、全国的に違反事例が摘発され、産地による自主回収や廃棄処分等大きな損害が発生しており、農薬を使用するときは、これまで以上に十分な注意が必要です。
農薬はラベルや注意書きをよく読み、適正に使用
○ 適用がない作物へは使用しない。
○ 定められた使用量や濃度を超えて使用しない。
○ 定められた使用時期・使用回数を守る。
○ 薬害や安全使用上の注意書きをよく読んでから使用する。
農薬を散布するときは十分注意
○ 風の弱いときに風向きに注意して散布しましょう。風下に収穫直前の作物があるときは特に注意が必要です。
○ 散布の方向や位置に気を付けましょう。隣のほ場に飛ばないよう注意が必要です。
○ 霧の細かいノズルは避けて、適切なノズルを使用し、散布圧を上げすぎないようにしてください。(飛散防止カバーや飛散低減ノズルも効果的です。)
○ 散布量が多くなりすぎないように注意しましょう。
○ 本当に必要なのか?人まね・安心防除はしないで、無駄な防除をしなようにしましょう。防災無線等の病害虫発生情報等も利用し、発生状況に基づく防除を実践しましょう。
散布した後は、器具を十分に洗浄
○ 使用後のタンクやホースは十分洗い、農薬が残留しないようにしましょう。(3回以上洗浄)
こんな対策も有効
○ 近隣作物にも登録のある農薬を使用する。
○ 隣のほ場が収穫直前の場合、収穫後に薬剤を散布する。
○ 隣のほ場の間に距離(緩衝地帯)を設ける。
○ 遮蔽物(ソルゴー等を植える、ネット設置など)
○ 粉剤は飛散の少ない農薬(DL粉剤=ドリフトレス粉剤)を選ぶ。
土壌改良資材等にも注意
最近農薬でない資材(植物保護材等)から農薬が検出されたり、土壌活性剤が原因と思われる無登録農薬が検出され、大きな被害が出ています。土壌活性剤や植物保護剤の購入・使用にあたっては十分注意してください。
○ 資材名、製造業者又は販売者、正味量、原料が記載してあること。
○ 農薬ではないので、農薬効果(殺虫効果、農薬との相乗効果等)は期待できない。
○ 由来や効果等に疑問がある資材は絶対使用しない。
農薬を使用したら必ず記帳
農薬を使用したら、農薬名、使用濃度、使用量、散布日時、場所、対象作物、気象条件等を必ず記帳しましょう。
※農薬等を使用した際はこちらをご利用ください。 [Excelファイル/45KB]
もし、飛散が起こったら?
ただちに、飛散を受けた栽培者に知らせるとともに、関係機関に相談しましょう。
参考
農薬の適正な使用:農林水産省 (maff.go.jp)<外部リンク>